龍とわたしと裏庭で⑥【高3新学期編】
「首に縄をつけて引きずって行くわけにもいかないでしょ?」
「君まで、そんな事を言うのか」
圭吾さんは、ため息混じりで言った。
「ところで、優月はどうして病院に? 誰かの見舞い?」
「ううん。ちょっと体調が悪くてお医者様に診ていただいたの」
「どこが悪いの? 司には言ってきた?」
畳み掛けるように圭吾さんが聞く。
心配?
そうだよね、心配するのが当然だよね。
でも、わたしは?
わたしの事、忘れてない?
わたしは圭吾さんの『一番』じゃなかったの?
「司さんには言ってないの。どちらにしろ、たいした事ないんですって」
「それでも今日、話せよ。後から知ったら怒るぞ」
分かってる。
圭吾さんは、優月さんが嫌いで別れたんじゃない。
今でもきっと好き。
もしも優月さんが司先生を選ばなかったら、圭吾さんは優月さんといて、わたしは『可愛い従妹』に過ぎなかっただろう。
「君まで、そんな事を言うのか」
圭吾さんは、ため息混じりで言った。
「ところで、優月はどうして病院に? 誰かの見舞い?」
「ううん。ちょっと体調が悪くてお医者様に診ていただいたの」
「どこが悪いの? 司には言ってきた?」
畳み掛けるように圭吾さんが聞く。
心配?
そうだよね、心配するのが当然だよね。
でも、わたしは?
わたしの事、忘れてない?
わたしは圭吾さんの『一番』じゃなかったの?
「司さんには言ってないの。どちらにしろ、たいした事ないんですって」
「それでも今日、話せよ。後から知ったら怒るぞ」
分かってる。
圭吾さんは、優月さんが嫌いで別れたんじゃない。
今でもきっと好き。
もしも優月さんが司先生を選ばなかったら、圭吾さんは優月さんといて、わたしは『可愛い従妹』に過ぎなかっただろう。