龍とわたしと裏庭で⑥【高3新学期編】
「仕事柄だな。こんな小さな町にも、家出少女や不良少年はいるんだ。本当に怖い事に巻き込まれる前に、誰かが手を差し延べなきゃね」
「だからお巡りさんになったの?」
「羽竜の仕事に都合がいいってのもあるよ」
「そうかい。あたしゃ、子猫を拾って来るのにちょうどいいからだと思ってたよ」
後ろからハスキーな声がそう言った。
振り向くと、短い白髪をツンツンに立てた白衣姿のお婆さんが、腰に両手をあてて立っていた。
「今日は、また随分と色っぽい子猫を拾って来たもんだね」
「松子さん、その舌は引っ込めてくれ」
要さんが言った。
「この娘(こ)は、本家の圭吾の婚約者だよ」
「噂のお姫様かい? こりゃ驚いた。圭吾にこんな趣味があったとはね」
その『趣味』の中身、聞いていい?
「兄貴の結婚式に来れば会えたのに」
「あたしゃ、めでたい席が苦手なんだよ。葬式の方がよっぽどドラマチックで面白い」
な……なんかジワジワと来る。
「だからお巡りさんになったの?」
「羽竜の仕事に都合がいいってのもあるよ」
「そうかい。あたしゃ、子猫を拾って来るのにちょうどいいからだと思ってたよ」
後ろからハスキーな声がそう言った。
振り向くと、短い白髪をツンツンに立てた白衣姿のお婆さんが、腰に両手をあてて立っていた。
「今日は、また随分と色っぽい子猫を拾って来たもんだね」
「松子さん、その舌は引っ込めてくれ」
要さんが言った。
「この娘(こ)は、本家の圭吾の婚約者だよ」
「噂のお姫様かい? こりゃ驚いた。圭吾にこんな趣味があったとはね」
その『趣味』の中身、聞いていい?
「兄貴の結婚式に来れば会えたのに」
「あたしゃ、めでたい席が苦手なんだよ。葬式の方がよっぽどドラマチックで面白い」
な……なんかジワジワと来る。