龍とわたしと裏庭で⑥【高3新学期編】
仕方ないか


「分かった。明日は休むね」


わたしがそう言った途端、圭吾さんは足を止めた。


何だろう?


わたしも立ち止まり、圭吾さんを見上げた。

圭吾さんがスッと目を逸らした。


「ゴメン。君の言う通りだ。明日の様子を見てから決めよう」


「圭吾さん?」


「行こうか」


「待って! こっちを向いて」

思ったより、きつい口調になった。


圭吾さんはわたしの方を見た。

表情は読めない。


「どうして急に考えを変えたの?」


「君こそ、やけに聞き分けがよくなったのは何故?」


「聞いてるのはわたしよ」


圭吾さんはキュッと口元を引き締めた。


「君はさっきから、僕の言う通りにしてる」


その通りだったので、わたしはコクンと頷いた。

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