龍とわたしと裏庭で⑥【高3新学期編】
「志鶴ちゃん、この人は田辺松子(たなべ まつこ)さん。この施設の持ち主で、俺達の大叔母にあたる」
「はじめまして。三田志鶴です」
わたしは慌てて頭を下げた。
「はいよ。さすが貴子さんだね。躾が行き届いて上品なもんだ。圭吾はどうした? あんたの後ろを、馬鹿みたいにくっついて歩いてるって聞いたんだけどね」
わたしは耐え切れずに吹き出した。
「け、圭吾さんなら外の車のところに」
やだ。声が震える。
「しょうがない子だね。男の子ときたら、どいつもこいつも図体ばかりでかくて、肝っ玉が小さいんだから」
「こき下ろすのは、それくらいにして」
要さんが苦笑した。
「志鶴ちゃんは、里親になるかどうか決めに来たんだから」
「早くそれをお言い! 小さいのがいいんだよね? それとも猫かい?」
えっ?! うわっ!
松子さんは要さんからわたしをひっさらうと、プレハブ小屋へと引きずるように連れて行ったのだった。
「はじめまして。三田志鶴です」
わたしは慌てて頭を下げた。
「はいよ。さすが貴子さんだね。躾が行き届いて上品なもんだ。圭吾はどうした? あんたの後ろを、馬鹿みたいにくっついて歩いてるって聞いたんだけどね」
わたしは耐え切れずに吹き出した。
「け、圭吾さんなら外の車のところに」
やだ。声が震える。
「しょうがない子だね。男の子ときたら、どいつもこいつも図体ばかりでかくて、肝っ玉が小さいんだから」
「こき下ろすのは、それくらいにして」
要さんが苦笑した。
「志鶴ちゃんは、里親になるかどうか決めに来たんだから」
「早くそれをお言い! 小さいのがいいんだよね? それとも猫かい?」
えっ?! うわっ!
松子さんは要さんからわたしをひっさらうと、プレハブ小屋へと引きずるように連れて行ったのだった。