龍とわたしと裏庭で⑥【高3新学期編】
「起きてるよ」

わたしの代わりに悟くんが答えた。


「気分はどう?」

圭吾さんはわたしの側まで来ると、優しく頬に触れた。


「まだちょっとぼーっとしてる」


「ピザ、食べるだろ?」


「うん」


「ちょっとじっとしてて」


言われた通りにしていると、頭から服を着せられた。


「はい、ワイシャツ脱いで」


ワイシャツ?

ああ、そういえば、制服のままウトウトしたんだった……上着を脱がされたのは覚えてる。


わたしはワイシャツのボタンを外して袖を抜いた。

圭吾さんがすぐに服を着せ変えてくれた。

柔らかいダブルガーゼのワンピースだった。


えーと、スカートは――って、はいてないしっ!


「圭吾さん、スカートは?」

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