龍とわたしと裏庭で⑥【高3新学期編】
ペロが弾かれたように起き上がって、床へと下りた。


「そんなちびっ子に力を使うなんて、大人げないよ」

悟くんが言った。


「可愛がられ過ぎて増長する前に、しつけた方がいいんだ――おいで志鶴」


わたしは圭吾さんの首に両腕を回して、少し離れたテーブルまで運んでもらった。


彩名さんの手にかかると、宅配ピザも上質の陶器に乗せられて、品のいいイタリアンのようになっていた。


「どうぞ召し上がれ」


いっただきまーす!


わたしと悟くんは、真っ先にシーフードピザにかぶりついた。


「やっぱり、それなのか」

圭吾さんが不満そうに言った。


「だから、シーフードだって言ったろ?」

悟くんがニッと笑う。


なぁに?


「今日のしづ姫は、シーフードのを食べたがるって、圭吾に言ったんだよ」


そうなの?

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