龍とわたしと裏庭で⑥【高3新学期編】
「あ、でも……」
「でも、何?」
圭吾さんと悟くんが同時に聞いた。
「あの時――」
しまった。美幸に『何にでも同情しちゃダメ』って言われてたのに……
「一本だけで寂しくないのかなって考えたの。花が咲いたら、誰か見に来てくれるといいなって」
「くそっ、それだ!」
圭吾さんが吐き捨てるように言った。
「この間の寄り合いで、切らない事に決めた桜だね?」
悟くんがそう確かめると、圭吾さんはジロッと見返した。
「会合に出ていない未成年のお前が、何故知っている?」
「やだなぁ。僕を誰だと思ってんの? 僕の耳に入らない事なんてないよ」
「そのようだな――要は?」
「今日は出番だよ。今の時間ならデスクワーク中だね」
「兄貴のスケジュールまで把握してるのか?」
圭吾さんが呆れたように聞く。
「でも、何?」
圭吾さんと悟くんが同時に聞いた。
「あの時――」
しまった。美幸に『何にでも同情しちゃダメ』って言われてたのに……
「一本だけで寂しくないのかなって考えたの。花が咲いたら、誰か見に来てくれるといいなって」
「くそっ、それだ!」
圭吾さんが吐き捨てるように言った。
「この間の寄り合いで、切らない事に決めた桜だね?」
悟くんがそう確かめると、圭吾さんはジロッと見返した。
「会合に出ていない未成年のお前が、何故知っている?」
「やだなぁ。僕を誰だと思ってんの? 僕の耳に入らない事なんてないよ」
「そのようだな――要は?」
「今日は出番だよ。今の時間ならデスクワーク中だね」
「兄貴のスケジュールまで把握してるのか?」
圭吾さんが呆れたように聞く。