龍とわたしと裏庭で⑥【高3新学期編】
「ボランティアでここを手伝ってくれてる子供達だよ」
松子さんが言った。
「よく言うよ」
男の子が笑った。
「みーんな訳ありで、要ちゃんに首根っこ捕まれた奴らさ。ここに放り込まれて松子ババにこき使われてる」
女の子達がウンウンと頷く。
「でも、楽しそうね」
わたしがそう言うと、男の子はニヤリと笑って『まあね』って言った。
「みんな自分の贔屓の子を飼って欲しいのさ」
松子さんは、真っ白い小犬をわたしの腕に抱かせながら言った。
「そりゃあ世話は行き届いてるよ。ここは清潔だし餌もたっぷりとあるからね」
あー、何か分かる。
「でも、愛情が足りない?」
わたしは元気よくすがりついてくる小犬を撫でた。
「こうやって撫でてもらったり、話しかけてもらったり――そういう事が大切なのよね」
「ねえ、お父さんやお母さんは飼っていいって言ってる?」
赤いピアスをした女の子がわたしに聞いた。
松子さんが言った。
「よく言うよ」
男の子が笑った。
「みーんな訳ありで、要ちゃんに首根っこ捕まれた奴らさ。ここに放り込まれて松子ババにこき使われてる」
女の子達がウンウンと頷く。
「でも、楽しそうね」
わたしがそう言うと、男の子はニヤリと笑って『まあね』って言った。
「みんな自分の贔屓の子を飼って欲しいのさ」
松子さんは、真っ白い小犬をわたしの腕に抱かせながら言った。
「そりゃあ世話は行き届いてるよ。ここは清潔だし餌もたっぷりとあるからね」
あー、何か分かる。
「でも、愛情が足りない?」
わたしは元気よくすがりついてくる小犬を撫でた。
「こうやって撫でてもらったり、話しかけてもらったり――そういう事が大切なのよね」
「ねえ、お父さんやお母さんは飼っていいって言ってる?」
赤いピアスをした女の子がわたしに聞いた。