龍とわたしと裏庭で⑥【高3新学期編】
「えーと……わたし、親戚の家にいるの。ペットを飼ってもいいとは言われてるわ」
「要ちゃん、やっぱり訳ありの子じゃん」
まあ、訳ありっていえば訳ありだよね。
「お前達の『訳あり』とはタイプが違うぞ」
要さんは女の子の鼻をつまんで笑った。
「あーっ!! アイだけズルイ!」
他の女の子が騒ぐ。
「要ちゃん、あたしもぉ!」
要さん、モテモテじゃん。
「みんなこの近くに住んでいるの?」
わたしは側にいた男の子に聞いた。
「アイは、ピアスしてるあいつな――ここの横に家があったろ? あそこで暮らしてる。松子オババの養女だから。他の二人は隣町の養護施設から来てる。俺も隣町。学校の寮にいるんだ」
「君、高校生だったの?」
「中坊だよ。4月から中3。中高一貫の全寮制の学校なんだ。できれば高校からは清流に編入したいんだけどさ」
男の子はため息をついた。
「親父がOK出さないんだ。親がいいって言えば、松子オババが下宿させてくれるんだけどね」
「要ちゃん、やっぱり訳ありの子じゃん」
まあ、訳ありっていえば訳ありだよね。
「お前達の『訳あり』とはタイプが違うぞ」
要さんは女の子の鼻をつまんで笑った。
「あーっ!! アイだけズルイ!」
他の女の子が騒ぐ。
「要ちゃん、あたしもぉ!」
要さん、モテモテじゃん。
「みんなこの近くに住んでいるの?」
わたしは側にいた男の子に聞いた。
「アイは、ピアスしてるあいつな――ここの横に家があったろ? あそこで暮らしてる。松子オババの養女だから。他の二人は隣町の養護施設から来てる。俺も隣町。学校の寮にいるんだ」
「君、高校生だったの?」
「中坊だよ。4月から中3。中高一貫の全寮制の学校なんだ。できれば高校からは清流に編入したいんだけどさ」
男の子はため息をついた。
「親父がOK出さないんだ。親がいいって言えば、松子オババが下宿させてくれるんだけどね」