龍とわたしと裏庭で⑥【高3新学期編】
「あ、でも松子さんに了解もらわなきゃ」
あそこは松子さんの土地だもの。
「彼女はいいと言うと思うよ。それに、そういう事は僕が手配するから気にしなくていい」
「そう? じゃあ、わたしは人を集めるね。誰を呼んでもいい?」
「まるで子供の誕生日パーティーだな」
圭吾さんは苦笑した。
「好きにしなさい」
『子供の』って言葉にちょっと引っかかったけど、まあいいわ。
「土曜日か日曜日――要さん、どっちがいい?」
「えっ、俺?」
「そうよ。要さんがいなきゃダメよ。だって、お友達なんでしょ? その桜と」
要さんは一瞬絶句して、右手の指で目頭を押さえた。
それから正座して、わたしに深々と頭を下げた。
「志鶴ちゃん、ありがとう。本当にありがとう」
その声は微かに震え、泣いているようだった。
あそこは松子さんの土地だもの。
「彼女はいいと言うと思うよ。それに、そういう事は僕が手配するから気にしなくていい」
「そう? じゃあ、わたしは人を集めるね。誰を呼んでもいい?」
「まるで子供の誕生日パーティーだな」
圭吾さんは苦笑した。
「好きにしなさい」
『子供の』って言葉にちょっと引っかかったけど、まあいいわ。
「土曜日か日曜日――要さん、どっちがいい?」
「えっ、俺?」
「そうよ。要さんがいなきゃダメよ。だって、お友達なんでしょ? その桜と」
要さんは一瞬絶句して、右手の指で目頭を押さえた。
それから正座して、わたしに深々と頭を下げた。
「志鶴ちゃん、ありがとう。本当にありがとう」
その声は微かに震え、泣いているようだった。