龍とわたしと裏庭で⑥【高3新学期編】
言葉を濁す司先生に、わたしは白い封筒を差し出した。
「圭吾さんからです。わたしが誘っても、司先生は来ないだろうからって、書いてくれました」
仲直りしたといっても、司先生は未だにどこか圭吾さんに遠慮している。
「今、読んでもいいですか?」
「どうぞ」
圭吾さんは何を書いたんだろう?
聞いても、『内緒だよ』って教えてくれなかったけど……?
司先生はペーパーナイフで封を開いた。
中から、淡い緑色の便箋が出てきた。
司先生は手紙の文字を目で追い、柔らかな笑みを浮かべた。
「分かりました。必ず二人で行くと、圭吾に伝えて下さい」
「ありがとうございます!」
わたしは跳ね上がりたい気持ちを押さえて、お礼を言った。
「土曜日、待ってますからね。絶対ですよ」
「ええ。約束しますよ」
圭吾さんが何を書いたにしろ、司先生にとっては大切な事だったらしく、わたしが校長室を出る時もまだ、司先生は広げた手紙を手にしたままだった。
「圭吾さんからです。わたしが誘っても、司先生は来ないだろうからって、書いてくれました」
仲直りしたといっても、司先生は未だにどこか圭吾さんに遠慮している。
「今、読んでもいいですか?」
「どうぞ」
圭吾さんは何を書いたんだろう?
聞いても、『内緒だよ』って教えてくれなかったけど……?
司先生はペーパーナイフで封を開いた。
中から、淡い緑色の便箋が出てきた。
司先生は手紙の文字を目で追い、柔らかな笑みを浮かべた。
「分かりました。必ず二人で行くと、圭吾に伝えて下さい」
「ありがとうございます!」
わたしは跳ね上がりたい気持ちを押さえて、お礼を言った。
「土曜日、待ってますからね。絶対ですよ」
「ええ。約束しますよ」
圭吾さんが何を書いたにしろ、司先生にとっては大切な事だったらしく、わたしが校長室を出る時もまだ、司先生は広げた手紙を手にしたままだった。