龍とわたしと裏庭で⑥【高3新学期編】
パクンと、小気味いい音がした。
「いっってぇ」
巧さんが頭を押さえた。
「子供に下らない嘘を教えるんじゃない」
松子さんが手の平を振りながら言った。
「とんだ石頭だね、巧。こっちの手の方が痛いわ」
松子さん、その『子供』にわたしは入ってないでしょうね。
「ちょっとした冗談じゃないか」
巧さんは文句を言った。
「だいたいね、高校の校長とお巡りが参加する花見だよ? 学校行事くらい品行方正なんだから、冗談くらい大目に見てくれよ」
「その校長センセはどうしたの?」
悟くんが聞いた。
「美月を拾ってから来るって言ってたよ」
と、大輔くん。
「それに、俺が頼んだ物を受け取りに寄ってから来るんだ」
要さんが言った。
「松子オババ、これどこに置けばいい?」
ペットシェルターの手伝いをしている子達が、キャスター付きの大きなクーラーボックスを引きずって来た。
「いっってぇ」
巧さんが頭を押さえた。
「子供に下らない嘘を教えるんじゃない」
松子さんが手の平を振りながら言った。
「とんだ石頭だね、巧。こっちの手の方が痛いわ」
松子さん、その『子供』にわたしは入ってないでしょうね。
「ちょっとした冗談じゃないか」
巧さんは文句を言った。
「だいたいね、高校の校長とお巡りが参加する花見だよ? 学校行事くらい品行方正なんだから、冗談くらい大目に見てくれよ」
「その校長センセはどうしたの?」
悟くんが聞いた。
「美月を拾ってから来るって言ってたよ」
と、大輔くん。
「それに、俺が頼んだ物を受け取りに寄ってから来るんだ」
要さんが言った。
「松子オババ、これどこに置けばいい?」
ペットシェルターの手伝いをしている子達が、キャスター付きの大きなクーラーボックスを引きずって来た。