龍とわたしと裏庭で⑥【高3新学期編】
「あ、それはこちらに下さる?」
彩名さんが声をかけると、子供達は耳まで真っ赤になりながら、指定された場所にクーラーボックスを運んだ。
「松子さん、子供達にいい影響を与えたいなら、あのくらい上品な言葉遣いをしなきゃ」
巧さんがからかうように言う。
松子さんは鼻を鳴らした。
「生き物にはね『素養』ってもんがあるんだよ。桜の木に梅は咲かないのさ。梅は梅らしく咲く方が綺麗だよ」
「だけどさ、いいところを見習うのも大切じゃない?」
アイちゃんがそう言うと、松子さんは愛おしむようにアイちゃんの頭を撫でた。
「その通りだよ。彩名はね、誰に対しても優しいんだ。そういう所を見習いな。けど、彩名になる必要はない。アイはアイで素晴らしいんだから」
アイちゃんは恥ずかしそうに笑うと、要さんの所に行った。
「要ちゃん、今の聞いた?!
「ああ、聞いたよ」
「あたし、すごい?」
「うん。滅多に褒めない松子さんが褒めたくらいだ。すごいよ」
「もっと頑張るからね。アイが大人になるまで待っててね」
彩名さんが声をかけると、子供達は耳まで真っ赤になりながら、指定された場所にクーラーボックスを運んだ。
「松子さん、子供達にいい影響を与えたいなら、あのくらい上品な言葉遣いをしなきゃ」
巧さんがからかうように言う。
松子さんは鼻を鳴らした。
「生き物にはね『素養』ってもんがあるんだよ。桜の木に梅は咲かないのさ。梅は梅らしく咲く方が綺麗だよ」
「だけどさ、いいところを見習うのも大切じゃない?」
アイちゃんがそう言うと、松子さんは愛おしむようにアイちゃんの頭を撫でた。
「その通りだよ。彩名はね、誰に対しても優しいんだ。そういう所を見習いな。けど、彩名になる必要はない。アイはアイで素晴らしいんだから」
アイちゃんは恥ずかしそうに笑うと、要さんの所に行った。
「要ちゃん、今の聞いた?!
「ああ、聞いたよ」
「あたし、すごい?」
「うん。滅多に褒めない松子さんが褒めたくらいだ。すごいよ」
「もっと頑張るからね。アイが大人になるまで待っててね」