龍とわたしと裏庭で⑥【高3新学期編】
「まあ、そうとも言いますね」

美幸がニッと笑った。


「ああ、先生、先輩方、こんにちは」


隣の車から、大事そうに荷物を抱えた美月が降りて来た。


げっ! 美月、それって!

布で覆ってるけど、ケージじゃないの?


「あんた、龍を連れて来たの?」


わたしが聞くと、美月は嬉しそうな笑顔を見せた。


「はいっ! ここ、空地があるから運動させようと思いまして」


美幸と亜由美が、ソロソロと美月から離れた。


「三田先輩は連れて来なかったんですか?」


「あー、犬は連れて来たけど」


「残念ですぅ。大ちゃんのと三頭で競争したかったな」


ってことは、大輔くんも?

あー、龍ヲタが二人……


「龍って?」


片岡先生が不思議そうな顔をした。

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