龍とわたしと裏庭で⑥【高3新学期編】
でも、平気。
わたしは圭吾さんの『未来』だから。
「ねぇ、そろそろ片岡先生を助けに行った方がいいんじゃない?」
悟くんが向こうを見渡して言った。
あ、そうだ
――って、美月も大輔くんも、ケージから龍を出してるし!
桜の木の近くで、二頭の赤龍が羽を広げている。
美月が腕を振ると、赤龍は美月の肩から空中に向かって飛び立った。
続いて、大輔くんの赤龍が後を追う。
美月の龍――ベニは、上空を優雅に旋回した後、急降下して片岡先生の肩に止まった。
う、うわぁ! 初めての人に、いきなりそれはハードル高いでしょ!
おっかなびっくり差し出した片岡先生の手に、ベニが顔を擦り付けた。
「おや、助けはいらないようですね」
司先生が面白がるように言った。
ホントだ……
片岡先生は、声を上げて笑っていた。
わたしは圭吾さんの『未来』だから。
「ねぇ、そろそろ片岡先生を助けに行った方がいいんじゃない?」
悟くんが向こうを見渡して言った。
あ、そうだ
――って、美月も大輔くんも、ケージから龍を出してるし!
桜の木の近くで、二頭の赤龍が羽を広げている。
美月が腕を振ると、赤龍は美月の肩から空中に向かって飛び立った。
続いて、大輔くんの赤龍が後を追う。
美月の龍――ベニは、上空を優雅に旋回した後、急降下して片岡先生の肩に止まった。
う、うわぁ! 初めての人に、いきなりそれはハードル高いでしょ!
おっかなびっくり差し出した片岡先生の手に、ベニが顔を擦り付けた。
「おや、助けはいらないようですね」
司先生が面白がるように言った。
ホントだ……
片岡先生は、声を上げて笑っていた。