龍とわたしと裏庭で⑥【高3新学期編】
そんなの分かってる。
「もう帰りたい」
ポツンと言うと、圭吾さんの顔が心配そうに変わった。
「どこか具合悪い?」
ああダメ
笑わなきゃ
「あのね、動物を飼うって責任重大だから、よく考えたいの。いいかな?」
「それはいいけど……」
「圭吾、ちょっと」
要さんが圭吾さんの腕を引っ張って、少し離れた場所で話し始めた。
圭吾さんが頷いている。
わたしはぼんやりと辺りを見渡した。
あそこに一本だけある木――桜かな?
遅咲きの木なのか、花がついているようでもない。
「志鶴」
圭吾さんがわたしを呼んだ。
なぁに?
「もう帰りたい」
ポツンと言うと、圭吾さんの顔が心配そうに変わった。
「どこか具合悪い?」
ああダメ
笑わなきゃ
「あのね、動物を飼うって責任重大だから、よく考えたいの。いいかな?」
「それはいいけど……」
「圭吾、ちょっと」
要さんが圭吾さんの腕を引っ張って、少し離れた場所で話し始めた。
圭吾さんが頷いている。
わたしはぼんやりと辺りを見渡した。
あそこに一本だけある木――桜かな?
遅咲きの木なのか、花がついているようでもない。
「志鶴」
圭吾さんがわたしを呼んだ。
なぁに?