龍とわたしと裏庭で⑥【高3新学期編】
悟くんは五人兄弟だ。
1番上がわたし達の高校の校長、司先生。
次が要さんで、大学生の巧さん、わたしと同い年の悟くん、末っ子の大輔くんと続く。
そのために悟くんの家には、わたし達が今いる部屋――二十畳はあろうかというプレイルームがある。
この部屋なら、どんなに騒いでも平気だったろうな。
「だって、もうみんな大きくなっちゃったじゃない。司は結婚して独立しちゃったし、大ちゃんだってもう高校生だし」
「だからっ! 『大ちゃん』って呼ぶなよっ!」
大輔くんが怒った。
「えっ! ダメなの?」
美月が目を丸くした。
「美月にならいいけどさ、高校生にもなって母親にちゃん付けで呼ばれたくねぇよ」
「ほらね。ママは寂しいのよ。うちも犬を飼いましょうよ」
「それは父さんに言って」
悟くんが言った。
「お父様ね……一応言ってみようかな」
悟くんのお母さんは、ため息をついて部屋を出て行った。
1番上がわたし達の高校の校長、司先生。
次が要さんで、大学生の巧さん、わたしと同い年の悟くん、末っ子の大輔くんと続く。
そのために悟くんの家には、わたし達が今いる部屋――二十畳はあろうかというプレイルームがある。
この部屋なら、どんなに騒いでも平気だったろうな。
「だって、もうみんな大きくなっちゃったじゃない。司は結婚して独立しちゃったし、大ちゃんだってもう高校生だし」
「だからっ! 『大ちゃん』って呼ぶなよっ!」
大輔くんが怒った。
「えっ! ダメなの?」
美月が目を丸くした。
「美月にならいいけどさ、高校生にもなって母親にちゃん付けで呼ばれたくねぇよ」
「ほらね。ママは寂しいのよ。うちも犬を飼いましょうよ」
「それは父さんに言って」
悟くんが言った。
「お父様ね……一応言ってみようかな」
悟くんのお母さんは、ため息をついて部屋を出て行った。