龍とわたしと裏庭で⑥【高3新学期編】
「悟さんって自由人ですよね」

美月が言った。


「そっ。魅力的でしょ?」


悟くん、意地悪。

大輔くんが険悪な顔してるよ。


「素敵ですけど、わたしはもっと堅実な人が好みです」


「お、お、お、俺、堅実だよ。将来は体育教師になる」

大輔くんが勢い込んで言った。


「そうね。大ちゃんは堅実なタイプだよね」

美月がニッコリと微笑む。

「高校に行ったら、モテるよきっと。彼女できたらわたしに紹介するのよ」


あ……あーあ

美月……

あんたって、どうしてそう鈍感なのよ


ガックリと肩を落とす大輔くんが気の毒になる。


「美月は将来の事考えてる?」


「わたしですか? 今のところは父の事務所を継ごうかと」


「お父さん、税理士だっけ?」

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