龍とわたしと裏庭で⑥【高3新学期編】
期待を込めて見上げると、圭吾さんは電話を切ってサイドテーブルに置いた。
「志鶴」
強張った声。
わたしは慌てて起き上がった。
「お話の邪魔しちゃった?」
恐る恐る聞くと、圭吾さんは首を横に振った。
「そうじゃない。こんな事、どこで覚えて来た?」
そう言って、私の口に指の先を差し込んだ。
「け、圭吾ふぁんかあ」
指が邪魔して上手く喋られない。
「僕?」
コクンと頷いた拍子に指が外れた。
「圭吾さん、わたしの指を吸うでしょ?」
「ああ……ああ、あれか」
「嫌だった?」
「いや。志鶴は?」
「好き。最初そうされた時は、食べられちゃうのかと思ったけど」
「志鶴」
強張った声。
わたしは慌てて起き上がった。
「お話の邪魔しちゃった?」
恐る恐る聞くと、圭吾さんは首を横に振った。
「そうじゃない。こんな事、どこで覚えて来た?」
そう言って、私の口に指の先を差し込んだ。
「け、圭吾ふぁんかあ」
指が邪魔して上手く喋られない。
「僕?」
コクンと頷いた拍子に指が外れた。
「圭吾さん、わたしの指を吸うでしょ?」
「ああ……ああ、あれか」
「嫌だった?」
「いや。志鶴は?」
「好き。最初そうされた時は、食べられちゃうのかと思ったけど」