龍とわたしと裏庭で⑥【高3新学期編】
だけど――
いつも『かわいい』としか言ってくれない圭吾さんが、『綺麗だ』って言った。
今、この瞬間、わたしはキレイ?
圭吾さんの心を、しっかりと捕まえるくらいに?
そう聞きたかったけど、言葉は出なかった。
「えーと」
わたしは、何だか決まり悪くなって俯いた。
何を言えばいいのか分からない。
「ベッドに入りなさい」
圭吾さんが言った。
「まだ眠くない」
「直に眠くなるよ」
「おしゃべりするって約束よ」
「分かっているよ」
圭吾さんは枕を直してわたしを寝かせると、毛布と掛け布団をかけた。
それから滑り込むように隣に入ってきて、片肘をついてわたしを見下ろした。
圭吾さんの温もりがわたしを包み込む。
「今日は髪をちゃんと乾かしたんだね」
圭吾さんが言った。
いつも『かわいい』としか言ってくれない圭吾さんが、『綺麗だ』って言った。
今、この瞬間、わたしはキレイ?
圭吾さんの心を、しっかりと捕まえるくらいに?
そう聞きたかったけど、言葉は出なかった。
「えーと」
わたしは、何だか決まり悪くなって俯いた。
何を言えばいいのか分からない。
「ベッドに入りなさい」
圭吾さんが言った。
「まだ眠くない」
「直に眠くなるよ」
「おしゃべりするって約束よ」
「分かっているよ」
圭吾さんは枕を直してわたしを寝かせると、毛布と掛け布団をかけた。
それから滑り込むように隣に入ってきて、片肘をついてわたしを見下ろした。
圭吾さんの温もりがわたしを包み込む。
「今日は髪をちゃんと乾かしたんだね」
圭吾さんが言った。