龍とわたしと裏庭で⑥【高3新学期編】
3時間目~理想と現実
1
4月――新学期
「お願いね、面倒見てね」
わたしはペロをサークルに入れた後、和子さんに何度も念を押した。
「お任せ下さい。お帰りになるまでちゃんと面倒をみますよ」
羽竜本家の使用人を束ねている和子さんの厳格な顔が、少し緩んだ。
新学期が始まって、わたしは自分がいない間、ペロの世話をどうするかを決めなくてはならなくなった。
頼めば圭吾さんが見てくれるだろうけど、お仕事が忙しいだろうし、外出も多い。
「朝、母屋に連れてらっしゃい」
そう言ってくれたのは、貴子伯母様。
「清潔にして、少し遊んでやればいいのでしょう? 人がたくさんいるのですもの、大丈夫よ」
結果、ペロは保育園に通う子供よろしく母屋の居間でサークルに入れられる事になった。
「いい子にしてるのよ。すぐ帰って来るからね」
ペロはわたしを見上げてしっぽを振った。
「ほら、遅刻するよ」
圭吾さんがせき立てる。
「お願いね、面倒見てね」
わたしはペロをサークルに入れた後、和子さんに何度も念を押した。
「お任せ下さい。お帰りになるまでちゃんと面倒をみますよ」
羽竜本家の使用人を束ねている和子さんの厳格な顔が、少し緩んだ。
新学期が始まって、わたしは自分がいない間、ペロの世話をどうするかを決めなくてはならなくなった。
頼めば圭吾さんが見てくれるだろうけど、お仕事が忙しいだろうし、外出も多い。
「朝、母屋に連れてらっしゃい」
そう言ってくれたのは、貴子伯母様。
「清潔にして、少し遊んでやればいいのでしょう? 人がたくさんいるのですもの、大丈夫よ」
結果、ペロは保育園に通う子供よろしく母屋の居間でサークルに入れられる事になった。
「いい子にしてるのよ。すぐ帰って来るからね」
ペロはわたしを見上げてしっぽを振った。
「ほら、遅刻するよ」
圭吾さんがせき立てる。