龍とわたしと裏庭で⑥【高3新学期編】
美幸がポケットから絆創膏を取り出した。

ピンクの絆創膏で、キャラクターがついてる。


カワイイ


美幸って、こういう所が『女子』だよなぁ


男親に育てられたわたしは、こういう細やかさが欠けている。

少し意識して見習おう。


「美幸ってこういうの、どこで仕入れて来るの?」


「コンビニ、雑貨屋、ドラッグストア」


「ドラッグストアにこんなカワイイのあったけ?」


「あるんだな、これが」

美幸はわたしの指に絆創膏を巻いてくれた。

「今度、一緒に行こ」


うん。


「志鶴って女子校だったんでしょ? 女の子同士で出かけたりしなかったの?」

亜由美が聞いた。


「あんまり親しい子、いなかったんだ。仲良しの幼なじみは、頭がよくて一般常識に疎いタイプだったし」


なっちゃんの事は好きだけど、思い切ってこっちへ来てホントによかった。

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