龍とわたしと裏庭で⑥【高3新学期編】
そうかなぁ?


「今は逃げなかった。ほら、こっち向いて。もう一度するから」


唇が重なる瞬間、圭吾さんが『あれ、結構へこむんだよ』って囁いた。


二度目のキスは、探るような甘いキス。

背中がゾクッとして、体中の力が抜けた。


圭吾さん

圭吾さん

大好き


頭の芯が痺れて、何も考えられない。


なのにどうして?


「志鶴? どうした? 大丈夫?」


キスした後、無言のわたしに圭吾さんが聞く。

わたしはコクンと頷いた。


ずるい。


わたしは泣き出しそうなくらい気が高ぶっているのに、


「少し刺激が強すぎた?」


どうして、圭吾さんはそんなに落ち着いていられるの?

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