龍とわたしと裏庭で⑥【高3新学期編】
4時間目~恋の教科書
1
痛っ! あ痛たたた
「また派手に擦りむいたわね」
彩名さんが、わたしの膝を確認しながら言った。
「どこでやったの?」
「バスから降りる時に、ステップを踏み外したみたいで、歩道に転がり落ちたの。近くにいた人がすぐに助け起こしてくれたけど、すっごく恥ずかしかった」
「危ないわね。気をつけなきゃダメよ。じゃあ、手の平も見せて」
手の方は赤くなっている程度だったけど、彩名さんは顔をしかめた。
「消毒するより、傷口を洗った方がいいわ」
「洗うんですか?」
「流水をかけて傷口についてる土を落とすのよ。いらっしゃい」
彩名さんは浴室でわたしの膝を洗ってくれた。
うっ うぎゃー
そっと洗ってもらったけど、思いの外痛い。
「圭吾さんがいなくてよかった」
わたしは涙目で言った。
圭吾さんは神社の寄り合いで外出中だ。
「また派手に擦りむいたわね」
彩名さんが、わたしの膝を確認しながら言った。
「どこでやったの?」
「バスから降りる時に、ステップを踏み外したみたいで、歩道に転がり落ちたの。近くにいた人がすぐに助け起こしてくれたけど、すっごく恥ずかしかった」
「危ないわね。気をつけなきゃダメよ。じゃあ、手の平も見せて」
手の方は赤くなっている程度だったけど、彩名さんは顔をしかめた。
「消毒するより、傷口を洗った方がいいわ」
「洗うんですか?」
「流水をかけて傷口についてる土を落とすのよ。いらっしゃい」
彩名さんは浴室でわたしの膝を洗ってくれた。
うっ うぎゃー
そっと洗ってもらったけど、思いの外痛い。
「圭吾さんがいなくてよかった」
わたしは涙目で言った。
圭吾さんは神社の寄り合いで外出中だ。