龍とわたしと裏庭で⑥【高3新学期編】
みんな、気にしすぎだよ。
ただの擦り傷じゃん。
そう高をくくっていた――圭吾さんが帰って来るまでは。
十時頃に帰って来た圭吾さんは、わたしの顔を見るなり、『怪我したって? どこ?』って聞いた。
「お帰りなさい」
母屋の居間でペロと遊んでいたわたしは、のんびりと言った。
「あ? ああ……ただいま」
「怪我って言っても転んで膝を擦りむいただけよ」
「どれ」
ちょっと!
いきなりスカートの裾、めくらないでよ!
圭吾さんは、ガーゼに覆われた膝を見て顔をしかめた。
「痛い?」
「もう痛くないよ」
膝をつかなきゃね。
どこでやった、何があった、どんな手当てをしてもらった……エトセトラ、エトセトラ、エトセトラ
ただの擦り傷じゃん。
そう高をくくっていた――圭吾さんが帰って来るまでは。
十時頃に帰って来た圭吾さんは、わたしの顔を見るなり、『怪我したって? どこ?』って聞いた。
「お帰りなさい」
母屋の居間でペロと遊んでいたわたしは、のんびりと言った。
「あ? ああ……ただいま」
「怪我って言っても転んで膝を擦りむいただけよ」
「どれ」
ちょっと!
いきなりスカートの裾、めくらないでよ!
圭吾さんは、ガーゼに覆われた膝を見て顔をしかめた。
「痛い?」
「もう痛くないよ」
膝をつかなきゃね。
どこでやった、何があった、どんな手当てをしてもらった……エトセトラ、エトセトラ、エトセトラ