龍とわたしと裏庭で⑥【高3新学期編】
3
うーん
よく分かんないなぁ……
小さな赤いボールをくわえたペロが、わたしの膝に前足をかけて立ち上がる。
わたしはボールを取り上げて、肩に止まっている白龍のシラユキに渡した。
ユキは赤いボールをくわえると、クイッと頭を振ってボールを遠くまで飛ばした。
ペロがボールを追って走っていく。
ユキは何事もなかったかのように、頭を下げてわたしの膝の上の本を覗き込んだ。
「ねえ、あんたって字が読めるの?」
ユキがキイと鳴く。
「読めるのかもね」
なにせ、龍神様のお使いだもんね。
「何か色々書いてるんだけどさ……」
わたしはため息をついた。
加奈ちゃんに譲ってもらった恋愛の教科書を、裏庭で一人隠れて読んでいる訳だけど――
謎は深まるばかりだ。
第一に、愛し合う行為にこれだけのバリエーションがあるのが不思議でしょうがない。
っていうか、圭吾さんにこんなコトしてもらった事がない。
よく分かんないなぁ……
小さな赤いボールをくわえたペロが、わたしの膝に前足をかけて立ち上がる。
わたしはボールを取り上げて、肩に止まっている白龍のシラユキに渡した。
ユキは赤いボールをくわえると、クイッと頭を振ってボールを遠くまで飛ばした。
ペロがボールを追って走っていく。
ユキは何事もなかったかのように、頭を下げてわたしの膝の上の本を覗き込んだ。
「ねえ、あんたって字が読めるの?」
ユキがキイと鳴く。
「読めるのかもね」
なにせ、龍神様のお使いだもんね。
「何か色々書いてるんだけどさ……」
わたしはため息をついた。
加奈ちゃんに譲ってもらった恋愛の教科書を、裏庭で一人隠れて読んでいる訳だけど――
謎は深まるばかりだ。
第一に、愛し合う行為にこれだけのバリエーションがあるのが不思議でしょうがない。
っていうか、圭吾さんにこんなコトしてもらった事がない。