龍とわたしと裏庭で⑥【高3新学期編】

部屋に戻って、わたしが二人分のコーヒーを入れた頃には、圭吾さんの機嫌もよくなったようだった。


外を駆け回ったペロは、自分の寝床に潜りんでいる。


わたしは自分用に甘くしたコーヒーを片手に圭吾さんの横に座った。


「ゴールデンウィークはどうしようか?」

圭吾さんがわたしを見て言った。


どうしようかって?


キョトンとして見返すと、圭吾さんが辛抱強く言い直した。


「連休だろ? どこか行きたい所とかある?」


あ……ああ そういう事?


「別にないけど? 去年だって家にいたでしょ?」


「去年は、君はうちに来たばかりだったし、僕らは従兄妹だった」


「今だって従兄妹じゃない」


「従兄妹の前に恋人だよ。僕に望む事はないの?」


あ……やばっ


「だって……どこも混雑するでしょ? 人混みは嫌いなの」

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