龍とわたしと裏庭で⑥【高3新学期編】
「圭吾さんはどこか行きたかった?」


「僕は君といられれば、それでいいよ」


わたしはホッとして、圭吾さんの体に身を擦り寄せた。


「好き」

「うん」

「それだけ?」

「大好きだよ」


圭吾さんは、あやすようにわたしの体を揺すった。


すごく心地好いけど、これじゃあ小さな子供だわ。

早いとこ、ユキからあの本を回収しなきゃ。


「あれ?」


圭吾さんが、ずり上がっていたわたしのスカートの裾をさらにめくり上げた。


うわっ!


「これ、どうした?」


「えっ? 何? どれ?」


わたしの太ももには、大きな青痣があった。


「あー、どこかにぶつけたの。学校で」


圭吾さんは顔をしかめた。

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