龍とわたしと裏庭で⑥【高3新学期編】
せめてキャミソールを着ていればよかった。


「本当に華奢だな」

圭吾さんは呟くように言った。


それって、いいの? 悪いの?

胸が小さいって事じゃないよね?


圭吾さんはわたしの肩をなぞって、ギュッと唇を引き結んだ。


「ここは?」


「ああそこはね、図書室で本を取ろうとした時に隣の本が落ちてきて当たったの」


圭吾さんはフウッと息を吐いた。


「僕がやったのかと思った――」


あ……どうしよう

このままじゃ、圭吾さんは絶対に自分を抑え続けそう。


「圭吾さんになら、痛くされてもいいわ」


わたしがそう言った途端、圭吾さんが思いっ切り咳き込んだ。


わたし、何か変な事言った?




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