☆甘い授業と俺☆
父さんが運転する車に乗った。
音楽を流しながら走っている。
「瑞樹」
「…なんですか?」
「和泉澤さんの婚約者のこと、」
あぁ…またそれか…。
「破談になったよ。」
「え?」
「沙織さん本人がお父上に破談を申し込んだらしい。」
沙織さん…ほんとにしてくれたんだ…。
「瑞樹、お前もいやがってたろ?でも、本当に良かったのか?」
「…いいんです。俺にも守りたいものができたんで。」
軽く伝えてみた。
別に付き合ってるとか、
名前とかは言うつもりはない。
「え?…守りたい…もの…?」
父さんが不思議そうに運転しながらチラチラ俺を見てくる。