☆甘い授業と俺☆
けどね、家計が苦しくなってきて、そのうちお母さんはまたクラブで働き始めた。
それから夫婦の仲は崩れていった。
家で二人がいるときはいつも喧嘩ばかり。
お母さんの泣き声。
お母さんとお父さんの喧嘩の声。
お父さんの怒鳴り声。
いつの日か、私の家からはその声しか聞こえなくなった。
小さい私とお兄ちゃん。
二人とも小さいのに、小さいながらに、お兄ちゃんは私をかばってくれた。
二階の部屋で声が聞こえないようにして、
お兄ちゃんは私を明るくさせようとしてくれた。
そして、物心がついたときには、家にお父さんとお母さんがなかなか揃わなくなった。
お母さんがいるときはお父さんがいない。
お父さんがいるときはお母さんがいない。
そして二人がバッタリあってしまうと、喧嘩の声。
いつの間にかそんな家族になってた。