☆甘い授業と俺☆
『璃優。』
お兄ちゃんは口調を変えずに言ってきた。
「…どうして?…どうしてお兄ちゃんが…知ってるの?」
つい"知ってるの"と言ってしまった。
『やっぱりそうなんだな。…璃優。』
「どうして?」
お兄ちゃんには1番知られたくなかった。
『知られたくなかったならごめんな。でも、父さんから聞いた。』
…お父さんか…。
お兄ちゃんには知られたくなかったのに。
お兄ちゃんには心配かけなくなかったのに。
「そっか…。でも、お兄ちゃんには知られたくなかった…。」
『…ごめんな。』
「あ、嫌だった訳じゃなくてね…。」
『え?』
お兄ちゃんはわかってない様子。
「…お兄ちゃんだけには心配かけなくなかったの。」
『…璃優…。』
知られちゃったからにはきっと。
お兄ちゃんはきにかけると思う。
「ごめ…」
『璃優。』
お兄ちゃんは私の言葉に被せて言ってきた。
「…」