最寄り駅


ポンとあたしの頭に手をのせたクロはぐしゃぐしゃと頭をなでた


「彼氏の言うセリフじゃねーよな」


とたんにぶわっと涙腺が再び緩む


「おー、まだ泣けんのか」

「うるさいぃー……っ」



悲しいはずなのに温かい
気持ちがふっと楽になるのを感じた



「俺の楽ってのは都合がいいって意味じゃねえから、そこんとこ勘違いすんなよ?」




そういったクロはニカッと笑った

その無邪気な笑顔はあたしの脳裏にたちまち焼き付いたのは、きっと気のせいじゃない……

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