素直な彼。(仮題名)
―――あ、また…
ふと目に止まるのはやっぱり彼で。
そんな彼は、ある女の子をチラチラと気にしている。
『話しかければいいのに』
そう思ってしまう私はなんなのだろう。
「まーた見てんの?」
後ろから聞き慣れた声がして少しムッとする。
「別にそんなんじゃ…」
「ふっつーにバレバレだから(笑)周りから見れば弥生(やよい)が誰好きとかわかるよ?」
「ないない(笑)」
とか言いつつ、少し周りを気にしてみる。
「目泳ぎすぎだっての」
そう飛鳥(あすか)に笑われたのは言うまでもない。