雨が見ていた~Painful love~
なんで俺はこうなんだろう。
なんで美織じゃなきゃダメなんだろう……
心の中に芽生えた感謝と愛と、申し訳なさ
そして自分へのふがいなさ
そんないっぱいいっぱいな感情が自分の中に渦巻いて、どうしようもなくなって
俺はいたたまれなくなって……。
「ちょっとー。なんで響弥くんが泣くのよ。」
「…へっ??」
「それは私の役目でしょうが!!泣きたいのはこっちだっつーの!」
俺は気づいたら泣いていた。
ボロボロボロボロ泣いていた。
ごめん、ごめんな、綾音
俺、オマエのそういうとこに癒されてた。
そういう懐のでかさが好きだった。
人間的な魅力にあふれるお前がうらやましくて、惹かれてた。
すげぇすげぇ好きだった。
なのに……ごめん。
好きになれなくてごめん。
愛してやれなくてごめん。
大切にしてやれなくて…
最後の最後で傷つけてごめん。
一度堰を切ったら止まらない、涙
いい年こいてなかなか泣き止まない俺を見て苦笑をすると
「…ま、今日は特別にオトモダチになってやりましょ。」
そう言って、綾音は俺を部屋に招き入れる。
「最後の晩餐といきましょっか。
このままじゃあ部屋に大量に料理が残って困るし…その顔じゃあ恥ずかしくて道も歩けないだろうし…ね。」