雨が見ていた~Painful love~
美味しい料理に
美味しいお酒
そして楽しい、綾音との会話
これでこいつとは永遠にサヨナラなんだなぁと思うと、少しさみしい。
…え??
自分勝手だって??
いちいちうるせぇなー!
男は狩人なんだよ!
大事な女がいても
イイオンナに欲情すんのは、男の悲しい本能だ!!
DNAも言ってるじゃないか。
D できるだけ、できるだけ!
N なんとか子孫を残すんだー!
A 愛は下半身にあるゆえに!!
なー??
ほら。
男が多情なのはDNAのせいなんだよ、DNAのせい!
美織は譲れない女だけど
綾音はほんとにイイオンナ。
これで終わりかと思うと、やっぱりさみしい。
自分勝手なエゴだと、わかっていても…な。
楽しく、
美味しい、
綾音との最後の晩餐
もしも俺が美織に出会ってなかったら、これが最後の恋ってやつになったのかな。
いや……
考えてもしかたないか。
あのクソオンナのせいで俺の人生はメチャクチャだ。
こーんなイイオンナとサヨナラしなきゃいけない羽目になっちまうんだから。
って……それは勝手すぎるか。
どう考えても美織のほうが俺に人生をメチャクチャにされてるもんな。
傷つけても
傷つけられても
俺はあいつを諦めきれない。
それが…
アイツにとって不幸の元凶なのだと理解していても――……な。