雨が見ていた~Painful love~


――え??



面識はあったものの会話はおろか、挨拶すらしたこともなかった、拓真くん。



そんな彼に声をかけられて、
ビックリして固まっていると


「響弥のこと待ってるんだろ?」

「え?!」

「違うのか?」


表情1つ変えずに、拓真くんは私にそう問いかける。



――え、え、なんで?!


不思議に思いながら
じっと彼を見つめていると


「あれ……?
違うのか??
オマエ、響弥の幼なじみだろ??」


彼は照れたように頭をポリポリと掻く。



「え……
あ、うん。そうだけど……」



「じゃあ、中入って待ってた方がいい。
アイツ今シャワー浴びてるとこだから、出てくるまであと20分はかかる。」



――え、えぇ?!



今シャワーを浴びてる?!

今日このあと遊ぶって約束してるのに!?




理不尽だ……
やっぱりキョウちゃんはワガママだ……

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