雨が見ていた~Painful love~
フンフンフンフン!!
鼻息荒く、ただひたすら前に前に歩いていると
「ふーーーーーん。そう。
じゃぁ俺来週の撮影は行かないし、その後のも行けないからね~。後処理、ヨロシク。」
――え、えぇ!!?
そう言って
仁くんはブウンと車を前に走らす。
どういうこと!?
どういうこと!!?
来週も、その次も行けないってどういうこと~~!!!?
『桐谷さんはどうして来ないの!?』
『す、すみません!』
『今日が撮影だってことはお伝えしましたよね!?』
『は、はい、それはもう…。』
『どういうことですか!説明責任を負ってくださいますよね!!』
ヒ、ヒイィィィィィィ!!!
撮影スタジオで巻き起こるであろう地獄絵図にサァァと体中の血の気が引いていく。
イヤダ!!
それだけは絶対にイヤー!!
そう思った私は
「ま、待って!仁くん~~~!!」
大声を上げてカレの車を追いかける。
半泣きになりながら、裸足でカレの車を追いかけていると5メートル先くらいで仁くんは車を止めてくれた。