雨が見ていた~Painful love~
「表面に見えるアイツと本当のアイツは月と太陽みたいに相反するものだよ。」
「月と太陽…??」
その問いかけにコクンと頷くと
「表面では強がって、俺様で、怖いものなんて何もない!!って顔してるけどね。本当の響弥は弱虫でナイーブで傷つきやすい、繊細な男の子だと俺は思うよ??」
仁くんはこんな恐ろしい一言を口にする。
な、ナイーブで
繊細!!?
キョウちゃんが!?
あのキョウちゃんが!!?
あの俺様で
唯我独尊で
鬼のように悪魔のように意地悪なキョウちゃんが、ナイーブで繊細!!?
「…ないないないない!
絶対にありえない!!
キョウちゃんが繊細だなんてありえない!!」
力いっぱいそう返すと
「…そうかな。
昔の響弥は体も弱かったし、引っ込み思案だったし…。ちょっとしたことですぐに泣くヘタレ王子だったよ??」
懐かしそうに仁くんはクスクス笑う。
――えぇ~!?あのキョウチャンが!?
信じられなくて
「ウソ!!」
そう叫ぶと
「ウソじゃないよ。美織と響弥は年が近いから覚えてないかもしれないけど…4歳くらいまでアイツは間違いなくヘタレ弱虫男だったよ??」
仁くんはそう言って
クスクスと小さく笑う。