雨が見ていた~Painful love~
この時のキョウちゃんは中学三年生。私は高校2年生でキョウちゃんよりも2歳もお姉さんなのに、なんでこんな公衆の面前で殴られなきゃいけないのよぅ!!
痛みに耐えながらキョウちゃんの傍若無人さにメラメラと闘志を燃やしていると
「オイ。」
「な、何?!」
「オマエが今何を考えてやがるのかは大体見当がつくけどなあ…??今は余計なこと考えてねぇで、拓真の告白にちゃんと答えろ!!アホ美、クソ美、ついでにブス美ーー!!!!!」
バコン!!
「いたーいっ!!」
悪魔の申し子キョウちゃんはさらに怖い顔をして、私の頭を強く殴った。
うう……
理不尽だ……
やっぱりキョウちゃんは
イジワルだ……
殴られた箇所を押さえながら、またまた恨みがましい目でキョウちゃんを睨んでいると
「あの……
そろそろ返事聞かせてもらってもいいか?」
「あ、は、は、はいぃっ!!」
ついにしびれを切らした拓真くんがポリポリと頭を書きながら、居心地悪そうにポツリと呟く。
そんな彼に向き合って
勇気を振り絞って
「あの私も拓真くんの事、大好きです。な、なので…なのでなので…わたしでよければ拓真くんのカノジョにしてくださいっ!!」
そう叫んで右手を差し出すと
「アハハ!!桐谷さんは面白いなぁ。」
「えぇっ?!」
「美人なくせにド天然って辺りがかなりツボ。」
そう言って拓真くんは嬉しそうにクスクス笑う。