雨が見ていた~Painful love~


その瞬間


――う、ううっ!!


吉良光太郎とおじさんからは
ジトーーーッとした疑いの視線を浴びせかけられる。



まるで墨汁のように
いや!
イカ墨のように黒~い、ドス黒~い視線を浴びせかける二人に




「ほ、ほんとなんだから!!
ほんとにちゃんと考えてたのっ!!」



背中に汗をかきながら
必死に弁解をすると



「じゃぁ…お姉さんの審査はOKってことだよねっ??」


「へっ!?」


「俺のことイイナって思ったから、社長サンに俺のこと“ちゃんと考えて”伝えるつもりなんでしょ??」




吉良光太郎はフフーンと自信たっぷりにほほ笑みながら、挑戦的な瞳で私を見つめる。




「俺、大きな野望のためならちっちゃいプライドなんていくらでも捨てられるし、泥水すする覚悟もあるからヨロシク言っといてよ?」


「え、えぇ!?」






――そ、そんな!!


その言い方じゃあ、吉良光太郎をウチの事務所に“入れる”前提の話になるじゃない!!






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