雨が見ていた~Painful love~


な、なんで?!
なんで私、笑われてるのー?!


フッと横を見ると、キョウちゃんまでもが肩を揺らしてクククッと笑っている。


意味がわからなくてウワアアアァ!!と心のなかで叫んでプチパニックを起こしていると、拓真くんは私の右手をそっと握り返す。


その温かなぬくもりにハッとした私が彼をそっと見上げると、彼は今まで見たこともない優しく温かな笑顔を浮かべて


「よろしくな、桐谷さん。俺、ちゃんと大事にするから。」



言葉少なに彼は私に誓ってくれたのだった。



生まれて初めての告白に
生まれて初めてできた彼氏



拓真くんと駅で別れたあとも、私の頭の中は拓真くんのことでいっぱい。





どうしよう……
私と拓真くん、彼氏と彼女になったんだよね??



あ!
メアドとか電話番号とか交換してないけど、これって私から切り出していいことなのかな。


あ!
そういえば彼氏と彼女になったら、具体的に何をすればいいんだろう。


今までどおりスイミングスクールに遊びに行ってもいいのかな。


もしかして彼女になったら、ダメなのかな……


ご両親に挨拶はいつ行けばいいんだろう。



は、初デートはいつくらいに行くのがベストなんだろう!




わ、わからない

わからなさすぎる!!




恋愛ビギナーの私は、頭の中がハテナでいっぱい。



そもそも付き合った経験もなければ、告白なんてしたことすらないわけで。キョウちゃんの他に男友達がいるわけでもないオクテな私に付き合いの段取りとか順序なんて、わかるはずない。




うーん……
困った……

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