雨が見ていた~Painful love~


「うれしいな~。
METSERAなら水泳部があるからね☆自社プールもあるし~。コーチ陣も優秀だし~。なんてったって引退した後も高月給でお勤めできるもんね~!」


「頼むぞ~!美織!!
キラの将来はお前の両腕にかかってるぞ~!」




真っ青になる私とは正反対に
よかったよかったとお祭り騒ぎの、筋肉バカ2人。





――ど、どうしよう…





筋肉バカたちの勢いに乗せられて、反論することもできずオロオロしていると




「じゃ、俺忙しいから。」


「え、えぇっ!?」


「またな~、美織。」




龍おじさんはコートを手にして、その場から逃げようと試みる。





――ちょ、ちょっと待ってよ!!



この状態から逃げる気!!?







「待ってよ!龍おじさん!!
キョウちゃんは!?
キョウちゃんのことで私を呼び出したんじゃないの!?」





そうよ!


“響弥のことで話したいことがある”っていうから、私はここに来たのよ!?


吉良光太郎のために来たワケじゃないんだから!!





プリプリ怒りながら
コトの真相を突きつけると




「あ~~~…。
ありゃ、ただの口実だ。」




へへへと笑いながら
龍おじさんはこんな恐ろしい言葉を口にする。


< 160 / 545 >

この作品をシェア

pagetop