雨が見ていた~Painful love~
「うれしいな~。
METSERAなら水泳部があるからね☆自社プールもあるし~。コーチ陣も優秀だし~。なんてったって引退した後も高月給でお勤めできるもんね~!」
「頼むぞ~!美織!!
キラの将来はお前の両腕にかかってるぞ~!」
真っ青になる私とは正反対に
よかったよかったとお祭り騒ぎの、筋肉バカ2人。
――ど、どうしよう…
筋肉バカたちの勢いに乗せられて、反論することもできずオロオロしていると
「じゃ、俺忙しいから。」
「え、えぇっ!?」
「またな~、美織。」
龍おじさんはコートを手にして、その場から逃げようと試みる。
――ちょ、ちょっと待ってよ!!
この状態から逃げる気!!?
「待ってよ!龍おじさん!!
キョウちゃんは!?
キョウちゃんのことで私を呼び出したんじゃないの!?」
そうよ!
“響弥のことで話したいことがある”っていうから、私はここに来たのよ!?
吉良光太郎のために来たワケじゃないんだから!!
プリプリ怒りながら
コトの真相を突きつけると
「あ~~~…。
ありゃ、ただの口実だ。」
へへへと笑いながら
龍おじさんはこんな恐ろしい言葉を口にする。