雨が見ていた~Painful love~
龍おじさんにしても
キョウちゃんにしても
吉良光太郎にしても
なんで私の周りにいる男たちは勝手な男ばっかりなの!!?
(あ、もちろん仁くんやパパは別だよ??)
みんな俺様で
強引で
自分勝手で
野心の強い人ばっかり!!
ほんと……
私は心から思うよ。
私は思いやりのある、優しい、優しい人が好き!!
こんな状況にずっと身を置いてたら頭も心もおかしくなっちゃう!!
さっさとこんな環境からは身を引くのよ、美織!!
早くしないと幸せが逃げて行っちゃうっ!!
そんなことを思いながら、荷物をまとめて
この悪魔たちの住まう場所から退散しようと準備をしていた時
トントン
オーナー室の扉がノックされて
「悪い、今時間あるか??」
「…拓真くん。」
拓真くんが申し訳なさそうに、私に声をかけてきた。
――な、なんで拓真くんが!?
ドキドキしながら
「う、うん、大丈夫。」
ひきつる笑顔でそう答えると
少し間を置いて
「あの……この後時間あるか??」
顔を真っ赤にしながら
あの頃と同じような困ったような、照れたような顔で、拓真くんは小さく小さく呟いた。