雨が見ていた~Painful love~
――え……??
思いもかけない、キョウちゃんの真面目で的確なアドバイスに驚いて、キョトンとした目で彼を見つめると
「聞きたいことはちゃんと聞け。んで、言いたいことはちゃんと言葉で伝えろ。
我慢したり、無理したりすると上手くいくもんも上手くいかなくなるぞ。」
まっすぐ前を向いたまんまキョウちゃんは言葉を紡ぐ。
――珍しい……
いつも悪態ついて、私にはイジワルばっかり言うキョウちゃんなのに…どうしたんだろう。なんで突然、優しくなっちゃったりしたんだろう……
意味がわからなくて、ポカーンとしたまま彼の表情を見つめていると
「あのな。俺だって四六時中悪態ついてるわけじゃねーんだよ!オマエの恋愛相談には散々のってやってるだろーが!!」
ひ、ヒイイイィィ!!
キョウちゃんは、鬼の形相で私の顔をギロリと睨む。
蛇ににらまれたカエルのように、恐怖のあまりに身動きとれなくなってる私を見て
「一応……
拓真は親友だからな。」
ハァーと重くため息を吐いて、キョウちゃんはポツリと呟く。