雨が見ていた~Painful love~
寒さじゃなく
後悔と懺悔と恐怖と
負の感情の全てが私の心をむしばんで、体中に震えが広がる。
ガタガタと震える私の体
意識さえ遠のいて
もう立っていられないかもしれない、そう思った時
「俺…自分が許せない。」
拓真くんは私の体をさらに強く抱きしめて、こう言った。
「苦しませてゴメン。
つらい思いをさせてごめん。
俺…アンタを支えたい……。」
懇願するようにかすれた声で
拓真くんはそう囁く。
拓真くんの言葉の意味が分からなくて
思わず体をビクンと硬直させると
「こんなこと言われても…アンタはいまさらだって言うかもしれない。だけど……俺アンタのコトずっと忘れられなかったんだ。」
「…え…??」
「忘れなきゃって思ってた。俺はアンタに嫌われてるんだから、想ったって無意味なことだって。ずっとずっとそう思ってきたけど………、今日アンタに会って俺は自分の気持ちを再確認したんだ。
俺、アンタを諦めたくない。」
彼は熱い吐息を吐きながら
私の耳元でそう囁く。
カレの体温も私の体温も
なにもかも伝わるくらい
きつく、強く抱きしめた後、彼は私の体を少し離して
「もう一回…俺たちやり直せないか。」
「……え??」
「今度は桐谷さんの傷ごと、すべて受け止める。一人じゃなく…二人で乗り越えないか??その傷を。」
真剣な目をして、拓真くんは私にそう訴えた。