雨が見ていた~Painful love~
不思議に思って首をひねると
「どうして、藤堂だけああいう扱いなんだ。俺だって、そういうプロモートを受ける権利はあると思うんだけど?
……そうやって俺を責めるんだぜ??もう、ほんとにイヤんなるよ~!!!!」
喜多川君はギャオーと叫んだあと、疲れ切ったようにデスクに突っ伏す。
キョウちゃんと同じようにMETSERAへの就職を希望している、吉良光太郎。
だけどMETSERAからはあまりいい返事を貰えず、交渉状態が続いている。
理由は……どの大会においても2位に甘んじている、現実だ。
「確かに、藤堂はTV出演に、内定に、恵まれてると思うよ??だけど…それはあいつが今まで出した結果のおかげじゃないか!!万年2位のキラとは扱いが違って当然だろ!?」
そうなのだ。
残念なことにいつもキョウちゃんのオシリを追いかけている成績の吉良光太郎。
1位になったことのある大会ではキョウちゃん自身が欠場していることが多い。
そんなこともあって……METSERAは吉良光太郎に条件をだした。
その条件は、今度の全日本選手権で優勝すること。
簡単に言えば
『藤堂よりもいい成績を結果で示せ。
示せないならオマエは取らない。』
そういうことになる。