雨が見ていた~Painful love~


ニコニコしながら


『今日は何も予定ないから、大丈夫です。
仕事終わったらメールするね。
美織』



そうメールを返すと1分もしない間に



『あ~、よかった。
断られたらどうしようかと思った。
これから5歳児の指導。
また空き時間にメールする。
日野拓真』



拓真くんからは、そんなそっけないメールが来た。






――ふふ。





絵文字も顔文字も何もない
シンプルでそっけない拓真くんのメールに頬が緩む。





やっぱりいいな、拓真くん。





彼は不器用だけど、あったかい人
優しくて、大きな人





まだ恋を始めるにはリハビリが必要かもしれないけれど、もう一度恋を始めるなら拓真くんがいい。


失ってしまった時間を取り戻すように彼ともう一度やり直せたら、私はきっと幸せになれるはず。






そう思っているのに……
私が今向かっているのは、あろうことか悪魔の住処。



――はぁ、ヤだなぁ…。



最近はプライベートで会うことは全くなくて、穏やかで平和な毎日を過ごしていたけど……。


仕事で久しぶりに会ったと思ったら、そのたびにイヤミを言われてケチョンケチョンにけなされてアホ・バカ・マヌケの言葉の暴力。





ホント、あの性格どうにかしてほしい。世界が自分中心に回ってると思ったら、大間違いなんだからっ!!



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