雨が見ていた~Painful love~



メールの着信を告げる、その着信音



あわてて携帯を取ると、そこに現れた名前は日野拓真。





――あ、拓真くんだ!





メールを開くと


『今日何時ごろ終わりそう?
俺、今日は早く終わりそうだから、そこら辺ブラブラしてる。終わったら電話してくれよ?日野拓真』


拓真くんらしいぶっきらぼうなメールが入っていた。





ふふっ。
拓真くんらしいな。





そんなことを思いながら


『了解しました。
私もなるべく早く仕事終わらせるね?』


そんな文面を作っていると





「おい、クソ美。」


「う、うわぁ!」






キョウちゃんに突然声をかけられる。





ブスッとした顔をしながら近づいてくるキョウちゃんにおののいて、思わず携帯をバッグの中に隠すと



「この後、みんなで焼き肉行こうぜってことんなったんだけど……、オマエも来るよな??」



「え、えぇっ!!?」



キョウちゃんはこんな恐ろしい発言をし始めた。







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