雨が見ていた~Painful love~
「は?なんで。」
言った途端に眉間にしわを寄らせる、鬼・響弥。
――う、うぅ!!
恐怖に耐えながら
「今日は…ちょっと約束があって…。」
そう答えると
「誰と。」
間髪入れずにキョウちゃんがこう返す。
何とも言えない威圧感と
刺すような視線に耐えながら
「と、友達。」
そう答えると
「じゃー、そいつも連れてくればいいじゃん。」
悪魔な彼はそう言って、私を見下すように腕組みをする。
つ、連れてくるって拓真くんを!?
む…
ムリムリムリムリ!!!!
トラウマの元凶と癒しの天使をなんで同じテーブルにつかせなきゃならんのよ!!
絶対にイヤ!
何が何でもそれはイヤ!
そう思って
「…それは無理!
ごめんなさい、今日の約束は外せない約束なの。キョウちゃんは皆さんと楽しんで?」
そう言って
足早にその場を離れようとした時
「…オイ。ちょっと待て。」
私の腕はキョウちゃんに捕まってしまった。